【なつぞら】第11回 天陽(荒井雄斗)の境遇を知るなつ(粟野咲莉)

学校の上映会で初めてアニメーション映画に触れたなつ(粟野咲莉)。
映画はポパイの「アリ・ババと40人」の盗賊。
ポパイはそんなに昔からあったんだとビックリ(私が)。
なつの反応やいかに?
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なつとアニメとの出会い
初めてのアニメーション映画に触れ、喜ぶ子どもたち。
昨日は「(上映する映画は)チャンバラがいい!」と騒いでいた男の子も
映画を見て、よく笑っています。
すっかり魅了されたなつは、
上映が終わり、みんなが立ち上がっても、
うっとりと余韻に浸り、いつまでも座っています。
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郵便屋さんは天陽のお父さんだった
なつが映画の感想を伝えようと天陽(荒井雄斗)に駆け寄ると、
天陽が両親と一緒に立っています。
そこで天陽の父・正治(戸次重幸)は
柴田牧場に出入りしている郵便屋さんだったことが分かり、
なつと正治は互いにビックリ。
「すごく面白かった。色がすごくキレイだった」と興奮して話すなつに、
天陽は兄から聞いた話として、
アメリカのディズニー映画がすごいらしいと伝えます。
「恐ろしい爆弾も作れば、ああいうもの(アニメ映画)も作るんだからな」
と正治。
少し強ばった表情になるなつ。
「学校もすぐにアメリカ礼賛というのは、どうなんだろうな。
散々『鬼畜米英』とか呼ばしといて」と正治は続けます。
この年は終戦の翌年。
空襲で東京を追われ、北海道にやってきて苦労している正治が
複雑な心境になるのは、無理もありません。
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なつ、天陽の家へ
別れ際、天陽はなつに、家に遊びに来ないかと誘います。
自宅に絵の具があり、絵を描かせてあげると言う天陽。
数日後、なつは天陽の家に遊びに行きます。
林を抜けていくと、小屋のような天陽の家が。
家の中には、天陽の兄が描いた色鮮やかな絵がたくさん飾られています。
一方、天陽が描いた亡くなった馬の絵は真っ黒。
亡くなった馬の絵だから黒いのかと尋ねるなつに、
「黒い絵の具は赤や黄色よりも安いんだって」と答える天陽。
苦しい経済状況を知ったなつは、複雑な表情を浮かべ、
天陽に絵を描くように勧められるも、
天陽の絵を見られただけで満足だと遠慮します。
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天陽の貧しさと苦しい胸の内
いくら耕しても土が悪く、作物が実らない天陽の家の畑。
天陽の父は畑を耕す気力がなくなって郵便局の仕事をし、
母は近所の畑を手伝い、野菜をもらって帰ってくるといいます。
このままでは苦しいので、
秋にはここを去ることになるかもしれないという天陽。
しかし、天陽はここが好きだから、ここで生きたいのだと言い、
「くそーっ!」と叫び、畑に鍬を振るいながら、涙を流します。
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なつの言いようのない怒りが噴出
牛舎の仕事をしながら、天陽のことを話したなつは、
悠吉(小林隆)から、天陽一家は「拓北農兵隊」だろうと教えられます。
空襲で家をなくした東京の人が、
政府に勧められ、開拓するために北海道に移ったのが拓北農兵隊。
しかし、まともな土地はすでに開拓されて人が住んでおり、
多くの人が東京に帰ったと菊介(音尾琢真)。
なつは作業を止め、泰樹(草刈正雄)の前に行き、
天陽の家の畑で収穫できるように助けてほしいと頼みます。
「土が悪いんじゃ無理だ。もうほっといてやれ」という泰樹に
「嘘つき!
『自分の力で働いていれば、いつか必ず誰かが助けてくれるもんだ』って
言ったじゃない!」と怒りをぶつけるなつ。
自分がなぜあんなに怒ったのか分からないまま、
柴田家の家族とは食事せず、天陽のように馬の絵を描くなつ。
そこになつの父(内村光良)のナレーションが
「なつよ、それはお前が少なからず幸せだからだ」と重なります。
戦争で両親を失い、兄弟と離れて暮らす困難にはありながらも、
温かい柴田家で、衣食住には困らない生活をしているなつと、
家族とは一緒だけれども、困窮している天陽。
そんな理不尽さに、子どもながらに怒りを感じていたのかもしれません。